ティガーさんの隣に座りたくない。
その思いが通じたのか、
話題になってるわりには客の入りも疎らでティガーさんの斜め後ろに座る私。
私の2つ隣に座るジョー。
今思えば、これが3人の心の距離だったに違いない。
で、見終わった感想は
ティガーさんの後ろで見たくなかった…。
だってさー女の人2.3回ヌーディなシーンがあったからさ。
彼は何とも思ってなかったかもしれないけど、
私としてはなれない、しかもティガーさんと見るにはちょっと辛かった。
そこから、3人でデパート兼駐車場へ移動。
ここでもティガーさんは邪魔になる。
せっかくあのシーン面白かったねってジョーと2人で盛り上がりかけてたら、
急におっぱいの話に持っていったりして、
全く違う方向に話が飛んでいく(空気読め!)。
くっそー、どうにかしてティガーさん
だけどっか行かないかなー。
下りのエスカレーター前で、一人作戦会議。
するとティガーさん
「僕、クレープが食べたいです。」
しめた!!
これはティガーさんと離れるチャンス。
このデパートには“31アイス”が1階にあって、そこにはクレープも売っている。
しかも駅が目の前。
クレープを買いに行った隙に2人で違う売り場(階)にでも行けば、、、
「あれ、2人ともどこ行ったんですか?」
てなって、そのまま帰る羽目になるだろう。
ウシシシ。
よし、この作戦で行こう。「あ、31があるから食べてきたらどうですか?」
邪(?)な私がチョチョイとティガーさんの欲望を満たす言葉を発する。
するとクレープが大好きなティガーさん、案の定
「そうですか、じゃあ行ってきます。」
と、素直にくるりと方向転換。
そのままエスカレーターに乗って、地下に下りて行った。
シシシ、大成功大成功。って、
え!?
31は1階ですけど。
この階ですけど。
地下じゃないんですけど!!ぽかん・・・と、ティガーさんの消えゆく頭を眺める二人。
「…間違ってるけど、置いてっていいよね。」
「置いてこか。31が1階ってこと知らんのんちゃう?」
悪いとは思いつつも、置いていくことをあっさり承諾するジョー。
あなたも邪魔だと思ってたのね。(笑
いつも間にか心が一つになってることに感動しつつも、
ティガーさんを容赦なく置いていく。
すぐさま2階、3階と上がって二人で洋服を見始める。
と、なんだかすっごく心地がいい。
ティガーさんがいなくなったせいもあるかもしれないが、
それ以上に会話のテンポが、隣にいる感触(?)がものすごく噛み合っている。
やばい、いい。
4回に来るころには、ジョーと紫乃は意気投合。
大学の仲間を通り越してプライベートの友達に私の中では発展、急上昇。
女の子でもここまで話せて楽しめる友達は少ない。
もっと話したい!!
そしたら、ティガーさん邪魔だよなー。
ティガーさん帰ってくれればいいのに。
そしたら、もっと二人で話して楽しい時間が過ごせるし…。
あ、そうか。
「もう2人とも車乗って帰ってるんで、すみません。」
とかなんとか言っちゃって、
かわいそうだけど彼には1人で帰ってもらえばいいんじゃない?
駅は目の前だし、
別に私が送ってきたんだから送らなきゃいけないなんてないし、
しかも彼、24歳でおっぱい星人だし、
それでなくても一緒に歩きたくないし友達にそんな場面見られたくないし。
このままバックれれば、
彼に見つからずに済むんじゃない?
でも、そんなこと言ったらジョーは私が気があるとか思うかな?
でもなーティガーさんとここ、歩きたくないし。。。思いを巡らせているうちに、
ジョーの携帯にティガーさんからメール。
『今どこですか?』
ときた。
やばい、これは非常にやばい。
このままでは、ティガーさんが合流してしまう。
それだけは避けたい。
今、この2人での状況を私は楽しみたい。どんどん気持ちは膨らんで爆発。
すばやくジョーに意見する。
「ティガーさんに、『もうデパートにはいないから、自分で帰ってください』って送ってみてよ。それで帰ったら面白くない?」
悪魔・紫乃、ここに誕生。
自分でもよくもまぁペラペラと言葉が出てくるなぁとは思ったが、背に腹は代えられない。
もう私の頭の中は、ティガーさんに帰ってもらうことしか考えていないのだ。
その割には、
「面白くない?」なんてギャク的要素を入れて、
ジョーが乗りやすくしているところが、イヤラシイ。
そんな思惑も知らず、
案の定、面白いと言って身を乗り出すジョー。
ブラックジョークもいけるようだ。
「よし送ろう、送ろう。」
ショーケースの前でティガーさんに、
『帰れ』と真意の籠ったメールを打ち始めた瞬間、
見慣れた中途半端なおぼっちゃま刈りが顔を出す。
もう数分遅ければ・・・私の計画をすべて破綻させたのは、われらがティガーさん。
「やっと見つけましたよ。」
といつものイヤラシイ顔で近付いてくる。
もしこの世にタイミングが読めない男選手権があれば、
必ず彼は上位にランクインだ、絶対だ。
KYめ!!
あと1歩のところで現れたティガーさんに、
ジョーも笑いを逃したと不満気味。
が、来てしまったものは仕方がない。
仕方がないついでに一緒に服を見て回る。
「紫乃さん、紫乃さん。」
呼ばれて振り向いてみれば、
妙にむくんだ顔したアンパンマンもといティガーさんが服を2枚持ってこっちを見ている。
「これと、これ。 どっちがいいと思いますか?」
し、しらねーよ。
別にどっち着ようが、顔は変わらんよ。
なんで彼女でもない私がアンタの服なんか見立てなきゃならないんだ!!が、そんなこと言えるわけもなく、
黒のシャツになんか、金のストライプが入っているやつを選んでやった。
こっちを見ながら、遠くで笑いを堪えるジョー。
最悪だ。
これ以上ティガーさんとは、いたくない。
固く胸に誓う紫乃。
果たしてこの後、ティガーさんを捲くことはできるのか。(続く)